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− 夜会話集1 −
アヤとガゼル

【第0話】 【第1話】 【第2話】 【第3話】

【第0話】


私は召喚術って魔法で
この世界に呼び出されたみたい
こういうのは物語の世界の話
だと思っていたんだけど・・・

だけど、現実は現実
これからどうすれば
いいのかを考えながら
私はリィンバウムでの
最初の朝を迎えた・・・


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【第1話】


こうしてわたしは
【フラット】の方たちと
一緒に暮らすことになりました

つかれたわたしを
一日の最後に待っていたのは、
月明かりの下の
おだやかなひととき・・・

眠れずにいたわたしは、
屋根の上に腰掛けて
考え事をしていたんです・・・



ガゼル:どうだ 結構いい眺めだろ?

アヤ:はい ここからだと街全体が見渡せるんですね

ガゼル:もう一度だけ聞いときたいんだけどよ・・・

ガゼル:お前、本当に召喚師じゃないのか?

アヤ:違います

アヤ:あの不思議な光だって自分の意思で使ってるわけじゃないんです

アヤ:信じてくださいますか?

ガゼル:ケッ、当たり前だろうが

ガゼル:仲間の言葉を信じられないほど、俺はせこくねえよ・・・



ガゼルさん、やっぱり
根はいい人なんですね


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【第2話】


荒野で出会ったソルさんの
言葉を信じるのなら・・・
わたしは間違って、こちらの
世界へ呼ばれたことになる・・・

事故・・・
正直、心の整理がつかない今は
どうすればいいかもわからない

ただ、いきさつの理解は
できたから・・・
悩んでいるよりも、一刻も早く
帰る方法をさがそうと思う・・・



アヤ:ねえ、ガゼルさん 前から聞きたかったんですけど・・・

ガゼル:あん?

アヤ:どうして召喚師のことを、そんなに嫌うんですか・・・

ガゼル:・・・この建物がよ、孤児院だったってのは覚えてるか?

ガゼル:街の援助金を受けて、孤児院は運営されてたんだがよ・・・ある日それが打ち切られた

ガゼル:召喚師のせいでな

アヤ:え?

ガゼル:領主の相談役をしている召喚師が、無駄な出費だと言い切りやがったんだとさ

ガゼル:院長のおっさんは抗議に出かけたが、それっきり今も帰ってこねえ

ガゼル:そんで、このザマさ

アヤ:そんな・・・

ガゼル:ま、だからって召喚師全員に恨みをもつのは筋違いってもんさ

ガゼル:わかっちゃ・・・いるんだがよ・・・



ガゼルさんが
召喚師を嫌う気持ち
確かにわかる気がする・・・


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【第3話】


大騒ぎのうちに終わった
お花見の一日・・・

ごちそうはおいしかった
のだけれど、リプレさんに
ご飯をヌキにされるとは
思いませんでした

正直、おなかが鳴ります
おなかがすくと、
眠れなくなるもので・・・
わたしは月を眺めにそとに
出ることにしました・・・



アヤ:・・・ご飯抜きはあんまりですよね

ガゼル:なんだよ、後悔してんのか?情けねえなぁ

アヤ:そ、そう言うガゼルさんも、お腹が減って眠れないんでしょ?

ガゼル:チッチッ、甘いな・・・ほれ

アヤ:クッキー!?

ガゼル:こういう展開は予想してたからな、準備に怠りはねえのさ

アヤ:(計画的犯行だったんですね・・・)

ガゼル:お前だけにひもじい思いをさせとくのもなんだしな、食えよ

アヤ:あ、ありがとう・・・

ガゼル:言っとくが、リプレにゃあ黙っとけよ?



ガゼルさん・・・こんな
手回しだけはいいんですね


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