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− 夜会話集3 −
ナツミとフィズ

【第8話】 【第9話】 第10話】 【第11話】

【第8話】


あたしがこうするって・・・
ふたりは最初から
わかっていたのかな・・・

リプレは黙って温かいミルクを
出してくれたし、ガゼルは
一言の文句も口にしなかった

捨てられることの悲しみ

ふたりとも、痛いほど
わかってるはずだもんね・・・
だから、あんなにも優しく
なれるんだろうな



フィズ:サーカス 面白かったよね?

ナツミ:うん

フィズ:あたしはやっぱり、手品が一番面白かったわ

フィズ:どんな仕掛けがしてあるのか、すっごく興味がわいちゃった

フィズ:・・・ねえ

フィズ:お姉ちゃんの召喚術ってさ、どんな仕掛けがしてあるの?

ナツミ:へ?

フィズ:ねえねえ、教えてよぉ いいでしょっ!?

ナツミ:・・・・・・



サーカスは楽しかった
みたい・・・良かった


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【第9話】


こうしてあたしたちは、
子供たちを死の眠りから
解放できたんだ・・・
みんなの協力があったからこそ
できたんだと思う

薬草を取りに
連れていってくれたアカネと、
それを薬にしてくれた
シオンさん

それから、イリアスさんが
見せてくれた、騎士としての
最高の勇気も・・・
彼らが見せてくれた優しさを
あたしはきっと忘れないだろう



フィズ:お姉ちゃん・・・

ナツミ:フィズ!? だめじゃん!寝てなくちゃ!

フィズ:リプレママに 聞いたよ お姉ちゃんたちが薬を探してくれたんだね

フィズ:ありがとう

ナツミ:そのために、ベッドを抜け出してきたの?

フィズ:えへへ・・・

ナツミ:もう、でもありがと さあ、部屋まで連れてってあげるから 部屋にもどろ、ね!

ナツミ:早く元気になってくれれば、それがいちばんだから

フィズ:うん・・・



わざわざ、それだけの
ために来てくれたの?


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【第10話】


ラムダさんは理想のための
犠牲は、仕方ないって思って
いるし・・・レイドさんは逆に
犠牲を出さないために戦っている
元々騎士だったふたりの考えは
どちらも正しい

でも、あたしはレイドさんの
考えが正しいって信じたい

自分が行ったことの重さ
犠牲の大きさを背負うなんて
あたしにはできそうにない・・

なら、できることは、犠牲を
出さないようにすることだけ
そう思うんだ・・・



フィズ:いくらもらったの?

ナツミ:え?いくら?

フィズ:この街の偉い人を助けたんだから、それなりのお礼は出たんでしょ?

ナツミ:そんなの、もらえるわけないよ

フィズ:ひょっとしてタダ働きだったの!?

フィズ:あたしだったら絶対、そんなことしないのに バカみたい・・・



タダ働きって
言われてもなぁ・・・


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【第11話】


あたしたちとアキュートの戦い
はこうして終わったわけで

ラムダとレイドも、これで
傷つけあうこともなくなった
きっと、ふたりの理想は
ここからはじまるんだ・・・

でも、バノッサは
そんなあたしたちを
あざ笑った・・・

そして、バノッサが使った
召喚術のような力・・・
なんだろう・・・
嫌な胸騒ぎがする・・・



フィズ:はぁ・・・

ナツミ:どうしたの?

フィズ:ラムダ様って・・・素敵よねぇ・・・

フィズ:強いし、無口だし それにあの背中!とっても頼れそうだわ

フィズ:これで部下が馬面とかハゲオヤジじゃなかったら、言うことないのになぁ・・・

ナツミ:・・・えっと



ペルゴとスタウトは
気にも留めてないんだ


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