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− 夜会話1 −
レオンとエイナ

【ACT.01】 【ACT.02】 【ACT.03】

【ACT.01】


レオン:おい・・・ 起きろよ・・・

エイナ:うう〜ん・・・ ウソつきぃ・・・

レオン:起きろって!

エイナ:・・・わっ!?

エイナ:あ、れ?あれ? あれあれ???

エイナ:どこよ、ここ!?それにこの格好???

レオン:知るかよ、そんなこと 俺が聞きたいくらいだぜ

エイナ:むむっ

レオン:お前が気を失ったとたん突然、こんなおかしな場所に引っ張りこまれたんだ

レオン:おおかた、ノヴァというヤツの仕業じゃないのか?

エイナ:ノヴァ・・・

エイナ:そうよ! ノヴァは!?

レオン:さあな あれっきり、まるで姿を見せもしねぇ

レオン:どっかに逃げちまったのかもしれねえな

エイナ:なに他人事(ひとごと)みたいにのんきなこと言ってんのよ!?

エイナ:つかまえて、話を聞かなきゃ!

レオン:おい、待て!?ここは・・・

エイナ:わわわっ!?

レオン:見てのとおりの場所なんだ 下手に走ったりしたらまた落っこちるぞ?

エイナ:は、早く言ってよぉ・・・

レオン:そうでなきゃ、とっくに俺一人でも追いかけてるさ

エイナ:むむむむっ!

レオン:じたばたしないで、少しはじっとしてろ

レオン:そんな調子だから、肝心な時に倒れちまうんだぞ

エイナ:ななっ、なによっ!それってつまり、全部私のせいって言いたいの!?

レオン:誰もそんなことは言ってない

エイナ:言ってるじゃない!

エイナ:だいたい、なによ!?なんの断りもなしに、勝手に私の身体に入ってきて!

エイナ:君がいるせいで、私は余計に疲れるはめになってるんじゃない!?

レオン:・・・悪かったな!

レオン:俺だって、なにも好きこのんでお前なんかの身体に同居してるワケじゃない!!

エイナ:・・・っ!

レオン:出ていけるもんなら、さっさと出ていってる・・・

レオン:それができないから、こうしてガマンしてるんだろ!?

エイナ:ひ、ひどい・・・っ

レオン:・・・チッ!

エイナ:うう・・・っ、うっ、ううっ

エイナ:うわああああぁぁぁんっ!!



涙が止まらなくなっていた・・・

わけのわからないことが多すぎて
これからどうなっちゃうのか
不安だけが大きくなっていって

ちっちゃな子供みたいに、私は
わんわんと泣き続けていた

背を向けたまま、なにもいわない
あいつのことが憎らしくて

泣き疲れて眠ってしまうまで
ずっと、ずっと・・・


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【ACT.02】


差し出された
小さな手を握りしめて
私は立ち上がった

胸いっぱいに満ちてくる
あたたかな、不思議な気持ちに
頬をほころばせながら

身振り手振りで、
私たちの活躍を
話してくれたリコちゃん

驚きと感心の目を向ける
村の人たちの様子が
なんだか、照れくさくて

それでいて、うれしかった

記憶のない自分が
普通じゃない私たちが

ここにいてもいいんだよって
教えてもらえたようで

ほんと・・・
うれしかったんだ・・・



エイナ:へへへ・・・

レオン:ご機嫌だな?

エイナ:うん、だって村の人たち、みんなすごく喜んでくれたもん

エイナ:おいしいご飯までごちそうになっちゃったし・・・

レオン:まぁ、たしかに うまいメシだったよな

エイナ:それに、私たちのことちゃんとわかってくれた

エイナ: みんなの前で姿を変えても 気持ち悪がられなかったのがすっごくうれしい!

レオン:リコのおかげだな

レオン:あいつが、俺たちのことを信用してくれたから 村人も信用したんだろう

エイナ:そうだね

レオン:お前の言うとおりだったな

エイナ:え?

レオン:普通にしていればいい

レオン:そう言ったのは、エイナ お前じゃないか?

エイナ:あ、うん・・・でもさ、今だから正直に言っちゃうけど

エイナ: こわがられちゃったらどうしようって、ずっと 不安だったんだよね

エイナ:あははは・・・

レオン:・・・・・・

レオン:・・・呆れたヤツだな

エイナ:むむっ!

レオン:けどよ・・・それでも、ちゃんとお前は前向きにがんばった

レオン:それだけは、素直にすげぇって思うぜ

エイナ:レオン・・・



ほめてくれたのかな?
今のは・・・


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【ACT.03】


結局、そのまま私たちは
ハンスさんの熱烈な押しに
負けちゃって

告白成功の前祝い(?)に
つきあうことになったんだ

たきつけといて、言うのも
なんなんだけど

これで、フラれちゃったら
気の毒だよねえ・・・

でも、まあ、これだけ
積極的になれるんだもん
きっと、だいじょうぶだよね?

やがて
にぎやかな宴も終わって

あてがわれた部屋の中で
私は、そっと「常夜の石」に
呼びかける・・・

ユヅキさんが教えてくれた
いくつかの新しい手がかり

そこから広がる、新たな道を
あいつと一緒に確かめるために



レオン:にしても・・・

レオン:お前、本当によく食べるな

エイナ:なによう 別にいいじゃない

エイナ:ハンスさんが、せっかくはりきって、ごちそうを用意 してくれたんだもん

エイナ:残したりしたら、かえって失礼じゃないの?

レオン:・・・・・・

エイナ:それに、私たちは二人でひとつの身体を共有してるんだもん

エイナ:二人分の栄養が必要なのよ

レオン:まあ、いいけどな・・・

レオン:お前がいうとおりなら太る心配もないだろうし

エイナ:うぐ・・・っ!

レオン:ん?

エイナ:そっ、そんなことよりも!今後のことを話しあいましょ!

レオン:ユヅキが言っていた話だな

エイナ:うん

レオン:「白夜」に「放浪者」それに「あのお方」か

レオン: どれも今ひとつ要領の得ない話だな

エイナ:でも、追いかけてみる価値はあるって思うんだ

エイナ:ユヅキさんが言うように 「白夜」の人たちが人助けしてるのなら

エイナ:私たちに意味のないことを教えたりはしないと思うの

レオン:なるほど・・・

レオン:だが、ノヴァの件はどうする?

レオン:あいつの居場所を見つければ それで、疑問は全て解決するかもしれないんだぞ?

エイナ:それはわかってる でも、キミは言ったよね

エイナ: 私たちは、この世界をもっと知らなくちゃいけないって

レオン:!

エイナ:自ら、答えを求めて歩いていける者が「放浪者」なら・・・

エイナ:なってみない?私たちもさ

エイナ:最初から答えをねだるんじゃなくてさ、少しずつでも自分の力で見つけてみない?

レオン:・・・・・・

エイナ:遠回りかもしれない だけど、歩いた道のりは絶対にムダにはならないよ

エイナ:それがきっと、世界を知ることにもなるはずだって私は思うから!

レオン:・・・・・・

エイナ:レオン?

レオン:どちらにせよ、この村にとどまっていたところで何も変わらない

レオン:だったら、次の目的地をその街にしたところで別に構いやしない

エイナ:うん!明日は、いっぱい歩くことになりそうだね

レオン:あれだけ、しっかり食べたんだ ちょうどいい運動になるだろ

エイナ:・・・むむむっ!

(ポカッ!)

レオン:あいてっ!なんだよッ!?なに怒ってるんだよッ!?おいっ!?



ほん・・・っと!
失礼なヤツだよね、もうっ!!


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